私が仕事をする中で、ジェネラリストとしての司法書士、ということを最近強く意識するようになりました。

ここで言うジェネラリストとは、私がお聞きした相談から問題点を拾い出し、最もマッチした専門家に繋ぐということです。

専門性と普遍性

司法書士には不動産登記・商業登記や裁判業務、成年後見業務・財産管理業務など、高度の専門性をもった業務があります。

ご相談に来られる方も多くはそこに期待して相談に来られるわけですが、よくよく相談をお聞きすると、税金の問題や、紛争を含む事案の場合があります。

例えば家族内での不動産の名義変更では、贈与税の課税や申告、不動産取得税の課税、さらには相続した場合の相続税がどうなるかなど、資産税の専門知識がなくては充実した回答はできないでしょう。

税法は私にとっては専門外のことです。しかし、問題点に気づく程度の実務知識があります。

その問題点に対応した専門職を当てることができます。従って、どんな相談でもお聞きすることができる「普遍性」を持つことができるわけです。

くらしの法律家

こういった専門性と普遍性を持つことが、日本司法書士会連合会が言う、かかりつけ医のような法律家、「くらしの法律家」ということだろうと思います。様々な相談をお聞きして、自らの専門性あるところでは仕事をし、そうでないところでもちゃんと他の専門職に繋ぐことができる存在です。

こういった司法書士一人一人のスキルとともに、簡易裁判所の管轄内に司法書士が存在する、簡易裁判所カバー率99.1%(438箇所の簡裁の管轄のうち、434箇所に司法書士が存在)で国民の皆さんの司法アクセスを確保を組織的に実現します。

司法書士の持つべき専門性と普遍性は車の両輪のようなもので、どちらがかけてもうまくいかないでしょう。

あらゆる相談の入り口になる存在として、ジェネラリストとしての司法書士とはかくあるべきと思っています。

ジェネラリスト=内科医

連々と書いてきましたが、半分くらいは早稲田大学法学部教授の山野目章夫先生の受け売りです。

2年前の司法書士制度140周年記念シンポジウムでの基調講演で話された内容を掻い摘んで書いています。

ジェネラリストとはフランス語で内科医を意味する言葉。そのお医者さんの専門性で治療できるものは治療し、そうでないものは他の専門職に振って患者さんの治療していくという、山野目先生自信の体験を交えたわかりやすい講演でした。

また司法書士の職域や未来像についても示唆に富むものになっています。

THINK111号に載ってます。司法書士の方には是非一読して欲しい内容です。

これから100年後、司法書士制度はどうなっているかに思いを馳せることのできる素晴らしい講演でした。