また定時総会の件です。10号議案は愛知県司法書士会会員の業務広告に関する規則一部改正の件が上程されました。

改正の趣旨としては以下のものが挙げられています。

  1. ウェブサイトを利用した広告について、事件のあっせんにつながるおそれのある行為を未然に防止するために、新たに規定を設ける。
  2. 個人会員と法人会員の広告表示事項を明確にするために、項を分ける。
  3. その他字句の修正

といったものでした。実質1が改正点ですね。

ちなみに日本司法書士会連合会が全国の単位会に同じ規定を盛り込むよう要請しているもののようです。業務広告に関する規則については全国一律でないとあまり意味がないということだそうで、その話でいくと他の単位会でも同様の議案が上がっているということなんでしょう。

「事件のあっせん」については下記の規定があります。

(依頼誘致の禁止)
司法書士法施行規則
第二十六条  司法書士は、不当な手段によつて依頼を誘致するような行為をしてはならない。
(不当誘致等)
司法書士倫理
第13条 司法書士は、不当な方法によって事件の依頼を誘致し、又は事件を誘発してはならない。
2司法書士は、依頼者の紹介を受けたことについて、その対価を支払ってはならない。
3司法書士は、依頼者の紹介をしたことについて、その対価を受け取ってはならない。
(非司法書士との提携禁止等)
第14条 司法書士は、司法書士法その他の法令の規定に違反して業務を行う者と提携して業務を行ってはならず、またこれらの者から事件のあっせんを受けてはならない。
2司法書士は、第三者に自己の名で司法書士業務を行わせてはならない。
今回の規則改正は、この辺りの条文を具体化したものになっているようです。
業務広告に関する規則
第4条の2 会員は、ホームページ、ブログ等の情報通信回線を利用したウェブサイト(以下「ホームページ等」という。)の開設者(以下「開設者」という。)に広告を依頼する場合、次に該当するときは広告を行なってはならない。
  1. 会員が開設者又は開設者が指定する第三者(以下、併せて「開設者等」という。)に対し、正当な広告の掲載料金以上の金銭その他の対価(以下「金銭等」という。)を支払うものであるとき
  2. ホームページ等を閲覧した者(以下「閲覧者」という。)が開設者等に対し、開設者等が司法書士を紹介することに関し、金銭等を支払うものであるとき。
  3. 開設者等が閲覧者と司法書士との間における正常な報酬の決定・事件の処理等、司法書士の業務及びその付随業務に関与できるものであるとき。
  4. その他ホームページ等に広告を行うことにより、法令、司法書士倫理又は会則に違反するおそれがあるものであるとき。

これらの規則は、不当な手段によつて依頼を誘致することを禁止することはもちろん、司法書士が得るべき報酬について、司法書士以外の者が直接、その一部を得ることを禁止したものと解することができそうです。

ちなみにこの規則、定時総会終結後、即発効しています。