限定承認

相続では、財産だけでなく、借金も相続することは従前の記事でも説明した通りです。

相続の限定承認とは、相続した負債(借金や税金など)を、相続財産の限度で責任を負うとする手続きです。
相続した財産より、負債の方が多かったとしても、相続した財産以上には取られませんよ、と言い換えることができます。
相続財産が差し引きマイナスでもそれ以上とられませんし、プラスだったら負債をきれいにすれば残りは取得できる、というなかなか気の効いた制度です。

とはいえ、そもそも借金が配偶者や子供に原則相続されるという、封建制度の残滓のような相続法制を日本の民法は採用しているので、その救済という側面があるようです。

マイケル・ジャクソンの遺産相続

マイケル・ジャクソンが亡くなった時の遺産相続では、遺産で借金を返済し、残った財産を相続人に分けるというものでした。この方法であれば、借金が相続人に承継されることはありません。裁判所の写真これは信託の仕組みを使った遺産相続の方法でしたが、日本でも限定承認という方法を使えば、このように清算をした後に相続をすることが可能です。限定承認をするためには家庭裁判所への申し立てが必要になります。