遺産整理業務を依頼するメリットの一つ、争族の防止についての一例です。

小さな主張、しかしストレスに

遺産整理業務の肝は、「相続人間の小さな主張を大きな争いにしない」ということだろうと我々は考えています。

多くの相続では、葬儀費用や亡くなられた方の医療費など、相続人が支払った、あるいは立て替えたお金があります。だいたい数十万円から数百万円の規模です。
遺産に比べてそれほど大きな金額でないことが多いのですが、相続人の方は預貯金から支出しているので、遺産相続を早めたいと思うのが普通です。その一方で、遠方の親族などそういった支出をしていない相続人もおり、遺産相続については早くとも四十九日を過ぎて落ち着いてからゆっくり、と考えがちです。

この遺産相続に対する温度差は、なかなか厄介で、費用を負担している方は、取り急ぎ共済などのお金で支出を精算しようと考えて、他の相続人に書類の押印を迫りたくなります。しかし費用を払ってない方は、「何もそんなに急いでやることないのに」と思ってしまいますし、そんな振舞いにもなります。費用を負担した側にとっては、じゃあせめて私の支払った費用を折半して下さいよ、という気持ちにもなるものですが、そんなことはなかなか言い出せず、ストレスになっていきます。

紛争の芽を摘む

遺産整理業務では、こういった気持ちの行き違いを防止するため、こういった費用を遺産から先に差し引いて、余ったところから分配していきます。書類に押印を頂くのは遺産整理業務の一つであり、全く抵抗なく行うことができます。また、費用負担をした側の方々からの要望をお聞きする受け皿にもなります。我々を間に入れるメリットの一つであり、この部分が肝になっていると考えます。

実際の案件でも、費用を負担した方に対する精算を終えると、争いになりそうだった相続も一気に沈静化することがしばしばあります。いわゆる「争族」の防止には、こういった小さな紛争の芽を摘んでいくことが不可欠です。