いわゆる電話加入権を質にとってお金を貸す貸金業者がかつてはありました。

電話担保金融です。

電話加入権質とは

電話担保金融では、電話加入権に質権を設定します。電話加入権は、NTTの電話を開設する契約、権利といったものですが、かつてはこれがないと自宅に電話を引くことができませんでした。電話加入権を買ってきて、その上でNTTの電話を引く、というもので、電話加入権自体に売値がつくものであったため、質入れすることができました。電話加入権質と呼ばれ、これを担保にお金を貸す業者が昔はたくさんありました。これが電話担保金融です。

10万円程度の小口のお金を貸すものでしたが、特例で高金利(最高年利54.75%)を取ることが法律上許されていたことも特徴です。

電話が解約できない

電話担保金融

大体の方は、20年以上前に借りた事がある、という相談です。

そんな電話担保金融でよく相談があるのは、自宅を引越しをするなど、電話を引越し先に移設しようとNTTに連絡すると、「あなたの電話加入権は、まだ質権(担保)がついていて、移設も解約もできません」と言われて驚く、ということです。かつて電話担保金融を使っていてすでに借りたお金の返済が終わっているのに、質権が外れていないのです。

また、13年くらい前にマイラインが始まって、NTTから他の会社に通信会社を変えようとした際に、NTTから同様のことを言われた方も相談に来られました。

また最近の相談では、ひかり電話に加入する相談をNTTとする中で、電話加入権に質権がついていたことを知ったという方もいらっしゃいました。

かつての借入先を探す(相当昔の話であることが多い)ものの、電話が繋がらない、あるいはかつての支店に行ってみるとすでに無くなっていて途方に暮れてしまう、という相談を受けることがあります。

そもそも借りていたのは亡くなったお父さん・お母さんで、ということも多くあります。その場合、電話加入権は亡くなった方の相続人全員に帰属し、基本使用料の請求を受けることになります。

電話加入権質の解除料?

愛知県では、最終的に中京電話加入者事業協同組合に行き着きます。まだこの組合が、電話加入権に質権を付けている状態であると。

この問題をわかりにくくしている問題点の一つとして、かつてお金を貸してくれた貸金業者が、電話加入権に質権を付けているわけではない、ということです。電話加入権に質権を設定できる者は、電話加入権質に関する臨時特例法とその政令で限定されています。その法律に基いて中京電話加入者事業協同組合が質権者になっています。

そこに電話して質権の抹消してほしいと言うと、こう言われるようです。

万から9万円の解除料(司法書士手数料と言うこともある)がかかります。」「解除料は銀行振り込みではなく現金書留でお支払い下さい」

このブログを見てうちにいらっしゃる相談者は「この解除料って支払って大丈夫ですか?」「本当に電話を解約できるようになるんでしょうか…」とご相談に来られます。

私としては、そもそもかつて借金を全部支払った時点で質権は外れていないとおかしいということや、解除料を支払ったからといって質権を外してくれるかどうかはわからない、としか言いようがありません。電話担保金融に関する臨時特例法やそれに関する政令などいくら確認しても、電話加入権質の解除料などという費用を請求できる根拠が見当たらないのです。

電話加入権質の解除のための書類をもらった覚えがある、という方もいらっしゃいますが、数十年前のことで紛失してしまっていました。

引っ越しや転勤などで紛失するケースが多いようです。

ではどうすればいいのか。

瀬戸簡易裁判所へ訴訟提起

かつて同様の相談とご依頼を受けた際には、中京電話に対して質権を外すように裁判所に判決を求める裁判を、瀬戸簡易裁判所に起こしました。

瀬戸簡易裁判所【イメージ】

電話加入権質は法律も特殊で、判事さんにご理解頂くのに時間がかかりました。

3回の口頭弁論期日を経て、勝訴判決をもらいました。

訴訟費用確定処分(訴訟費用は被告の負担とする、という判決が出たあとに、その訴訟費用が実際にはいくらだったかを決める手続き)まで行い、確定した訴訟費用を中京電話に請求しました。確定した訴訟費用には出頭日当もあり、3回通ったので3,950円×3を加算して請求しました。

すると中京電話から私に電話があって、いろいろ文句を言われましたが最終的には支払ってきました。

追記:平成25年6月16日

 

この問題は、愛知県だけで起こっている問題ではないようです。驚いたことに、近畿地方や関東地方、遠くは東北地方の方からこの相談を受けることも少なくありません。

使っていない電話を解約できず、月に1,700円くらいの基本料をNTTに支払う状況から抜け出せない方が大勢いらっしゃるのではないかと思います。

電話加入権質がついていると、質権者の同意がなければ休止することもできないので、月額の基本料はかかり続けてしまいます。

記事を公開して2週間ですが、同様の問題を抱える方から幾つかご連絡を受けました。

当事務所は初回相談は無料としています。お気軽にご連絡下さい。

追記2:平成25年12月25日

 

当サイトの記事を御覧頂いた方から複数のご相談がありました。

中には近畿地方にお住まいの方からのご相談もありましたが、今年中にご依頼を受けた全て電話加入権質を解除をすることができ、電話加入権を解約することができました。

追記3:平成26年8月7日

 

NTT東日本の管内の相談が増えてきました。特に千葉の方が多いようです。

対応していますので、お気軽にご連絡下さい。

 

追記4:平成26年12月11日

 

様々な地域からのご依頼を頂くようになりました。

愛知県をはじめとして、岩手県、宮城県、千葉県、静岡県、岐阜県、三重県、京都府など、様々な地域から連絡を頂いています。

この問題が発生する地域には偏りがあるようです。

 

追記5:平成28年12月16日

 

記事に関して当事務所の代表が産経新聞HPに掲載されました。

固定電話担保融資に関する質権抹消訴訟と手続きについて解説しています(3ページ目)。

産経新聞WESTより

他人事じゃない!? 固定電話担保融資、ナゾの質権設定で「解約できない」トラブル続出

 

新たに滋賀県、宮崎県、和歌山県、広島県、長野県、神奈川県など、様々な地域からご依頼をお受けしており、現在2件が継続中です。