お子さんのいらっしゃらないご夫婦の場合、どちらかが亡くなられて相続が発生すると、どのように相続されるのか。よく質問されるところです。

例えば夫が亡くなった場合、妻はまず相続人になります。

しかし夫婦に子がいない場合は、亡くなった夫の父母が相続人になってしまいます。相続分としては父母で3分の1です。

亡くなった夫の父母が既に他界している場合、夫の兄弟姉妹に相続されてしまいます。相続分としては兄弟姉妹全員で4分の1です。

とりわけ後者の兄弟姉妹が相続人になるケースは割に多くあります。

特に高齢になって夫婦の一方が亡くなるとすれば、その頃には父母がすでに他界していることがほとんどですので、その際は相続人としては兄弟姉妹になるのです。

の兄弟姉妹にしても亡くなっていることがあり、その場合は亡くなった兄弟の子である甥・姪が相続人になります。(これを代襲相続といいますが、兄弟姉妹に関しては代襲相続は一回しかありません)

ここで大事なことを一つ。

遺言がない場合、亡くなった方の預貯金の解約・払戻しには相続人全員の実印が必要です。兄弟姉妹全員でも相続分が4分の1しかないけど全員のが必要。

つまり、以上の相続人のうち誰か一人でも実印を押してくれなかったり、行方不明だったり、認知症など病気で実印が押せない状態だったりすると、もうそこでストップしてしまい、亡くなった方の預貯金の解約はその問題が解決できるまで一切できません。

自分の相続分だけ引き出せるわけではないんですね。

 

遺言で解決可能です

この兄弟姉妹や甥・姪を相続人から外すのは比較的簡単です。

夫婦がそれぞれ一通ずつ遺言を残して、夫は妻に、妻は夫に、遺産を全部渡すと記せばいいのです。

それぞれ一通ずつ、は極めて重要で、夫婦で一通の遺言を作っても民法975条で無効になります。

相続人となった兄弟姉妹には遺留分がありませんので、夫が全ての財産を妻に相続させる旨の遺言をしていたとしても、その通りに全てが相続させることができます。預貯金の解約できます。

また、遺言で遺言執行者を選んでおけば、遺言でやってほしいことを全部任せることができます。

 

(共同遺言の禁止)
民法第九百七十五条  遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。